【SDAトレーナー症例写真あり】「パパ、歯の色が汚い」から始まった50代男性のGBT|着色だけじゃない。バイオフィルムまで見える化

<目次>
こんにちは。TOMOE DENTAL CLINIC 院長のアンナ先生です。
今回ご紹介するのは、お子さんからのある一言をきっかけに、数年ぶりに歯科医院を受診された50代男性の症例です。
その一言とは、
「パパ、歯の色が汚い」
・・・・・・・・・。
これは、結構ショックですよね。
ご本人も以前から、
「歯が黄色くなってきたな」
「着色が気になるな」
「歯石もついているな」
とは感じていたそうです。

でも、まさかお子さんから直接言われるとは思っていなかったとのこと。
そこで、
「なんとか1日で綺麗にしたい」
というご希望で、当院のGBT(Guided Biofilm Therapy)を受けていただくことになりました。
まずは「汚れ」を見るところから
今回の患者さんはコーヒーがお好きで、喫煙習慣もありました。
そのため、前歯の表側だけではなく、歯の裏側まで広範囲にステイン(着色)が付着していました。
一見すると、
「着色がかなりついているな」
という印象です。
しかし、GBTではここでいきなりクリーニングを始めません。
まず大切なのは、
「何が付着しているのか」を確認すること。
そして、そのために行うのが染め出しです。
染め出してみると、見えてきたもの
GBTのプロトコルに沿って染め出しを行います。
すると・・・
歯にこびりついているのは着色だけではありません。
歯面には、バイオフィルム(細菌の集合体)が広範囲に確認されました。

患者さんご本人にも染め出された状態を鏡や画像で確認していただきました。
すると、
「えっ……こんなについてるんですか?」
と、かなり驚かれていました。
今回、患者さんが気にされていたのは主に
「歯の色」
でした。

でも、私たち専門家が見なければいけないのは、それだけではありません。
「黄色い」の正体は、着色だけとは限らない
歯の見た目が気になると、
「歯を白くしたい」
というところに意識が向きがちです。
もちろんステインを除去することも大切。
でも、その前に考えたいのが、
その歯面に、バイオフィルムが残っていないか?
ということです。
バイオフィルムは目で見ただけでは分かりにくいものです。
だからこそ、バイオフィルムに反応する染色液を用いて「見える化」するのです。
そして患者さん自身に、
「ここ、磨けていなかったんだ」
と気づいていただく。
ここがGBTの大切なポイントです。
これは指摘ではないんですよ。
あくまでも専門家と患者さんとの情報共有なのです。
「クリーニングして終わり」ではありません
今回、染め出しを確認したところ、歯間部や奥歯などにもバイオフィルムの付着が認められました。
そこで、ただ私たちが綺麗にするだけではなく、
「どうすれば自分でバイオフィルムもステインもない良い状態を維持できるのか」
まで一緒に考えていきます。
患者さんには歯ブラシを処方し、ブラッシングのトレーニングを行いました。
<ブログ>
歯ブラシの当て方。
ブラシの動かし方。
ストロークの回数。
そして、どこに磨き残しが出やすいのか。
一つひとつ確認していきます。
「ちゃんと磨いている」と「磨けている」は違う
アンナ先生がいつも診療で大切にしているところをお伝えしましょう。
患者さんは決して、
「歯磨きをしていない」
わけではありません。
むしろ、
「毎日ちゃんと磨いています」
という方がほとんどです。
問題は、
「磨いているか」ではなく「磨けているか」。
自己流のブラッシングでは、どうしても磨きにくい場所が出てきます。
今回の患者さんも、歯ブラシを当てる場所や動かし方を少し変えるだけで、
さらに効率よくバイオフィルムを除去できることが分かりました。
「自分ではちゃんと磨いているつもりだったけど、こういうところが苦手なんですね」
そんな気づきが、実はとても大切なんです。
そして、いよいよAIRFLOW®️でバイオフィルムとステインを除去
染め出しによって付着部位を確認したら、いよいよ除去していきます。
まずはエアフローを使用して、歯面のバイオフィルムやステインを除去。
着色が強く付着していた部分も、歯面の状態を確認しながら丁寧にクリーニングしていきます。
さらに、歯石が付着している部位にはPIEZON® PSを使用。
必要な部位に対して適切にインスツルメントを使用し、患者さんの痛みにも配慮しながら歯石を除去していきました。
GBT後、歯はここまで変わりました
治療後は、
・歯面のステイン
・歯間部のバイオフィルム
・付着していた歯石
を徹底的に落としていきました。

クリーニング後の歯面は、本来の歯の色とツヤが戻り、患者さん自身も鏡を見て、
「自分の歯がこんなに綺麗になるとは思わなかった」
と、とても喜んでくださいました。

そして、
「今までのクリーニングとは違いますね」
という嬉しいお言葉も。
もちろん、今回の目的は単純に「歯を白くすること」だけではありません。
そしてGBTを行うことで歯の表面に付着していたステインやバイオフィルムが除去できたことで、
むし歯の診断がしやすくなりました。

実はGBTを行うことで歯周病やむし歯のさらに正しい診断が可能になる場合があります。
歯科医師の診断の妨げになるバイオフィルムやステインを除去し
リアルな状態を把握することはとても大切なことだと考えています。
GBTは歯科衛生士に必要な歯周管理の方法だけではなく
歯科医師にとっても非常に有効的な価値あるプロトコールだと考えています。
アンナ先生が、このGBT症例で一番伝えたいこと
今回の症例で私が一番嬉しかったのは、
お子さんの一言が、患者さん自身の行動を変えるきっかけになったこと。
だと思っています。
「歯が汚いと言われたから綺麗にしたい。」
最初のきっかけは、それでいいんです。
でも、そこから、
「自分の口の中って、こんな状態だったんだ」
と知る。
そして、
「じゃあ、これからどうしたらいい?」
と考える。
さらに、
「自分でこの状態を維持できるようになろう」
と変わっていく。
私は、ここまでがGBTの価値だと思っています。
GBTは「エアフローを使ったクリーニング」ではありません
最後にSDAトレーナーのアンナ先生としてどうしてもお伝えしたいところがあります。
GBTは、単にエアフローで着色を取る施術ではありません。
GBT=Guided Biofilm Therapy
その名前の通り、
バイオフィルムを確認し、可視化し、ガイドしながら行う治療コンセプトです。
当院では、GBT Compassに沿って、
01 Assessment & Infection Control診査・感染管理
02 Discloseバイオフィルムの染め出し
03 Motivate患者さんへの説明・動機づけ
04 Airflow® MAXバイオフィルム・ステインの除去
05 PERIOFLOW®必要に応じた歯周ポケット内のバイオフィルム除去
06 PIEZON® PS歯石などの硬組織沈着物の除去
07 Check取り残しの確認
08 Recall継続的なメインテナンス
という8つのステップを大切にしています。
つまり、
「綺麗にして終わり」ではない。
これがGBTです。
GBTで綺麗になった歯を、どう維持するか
ステインも歯石も、一度きれいに除去したからといって、その状態が永遠に続くわけではありません。
毎日の食生活や喫煙、そして何よりホームケアによって、再び付着していきます。
だからこそ大切なのは、
「クリーニングを受けること」だけではなく、「自分でバイオフィルムをコントロールできるようになること」。
そのために、
・自分の磨き残しを知る
・正しいブラッシング方法を知る
・自分に合った歯ブラシを使う
・定期的にプロフェッショナルケアを受ける
というサイクルを作っていきます。
「パパ、歯の色が汚い」
この一言から始まった今回のGBT。
最初は少しショックだったかもしれません。
でも、その一言が、
「自分の歯と向き合うきっかけ」
になりました。
そして私は、こういう瞬間に歯科医療の面白さを感じますし、それがやりがいです。
歯を綺麗にする。
もちろん、それも大切。
でも、その先にあるのは、
「自分の歯を、自分で守れるようになること。」
GBTを通して、患者さんが自分のお口の中を知り、行動を変えていく。
それこそが、私がGBTを日々の診療に取り入れている理由のひとつです。

<症例情報>
治療内容: GBT(Guided Biofilm Therapy)ならびにクリアコーティング
主訴: 歯の着色・黄ばみ、歯石が気になる
治療回数: 1回
治療時間: 約60分
診療費用: 39,600円(税込)
リスク・副作用: 歯肉の状態や歯石の付着状況によっては、処置後に一時的な知覚過敏や歯肉の出血、疼痛などが生じる場合があります。また、ステインは飲食物や喫煙などにより再付着することがあります。
※症例写真の掲載については、患者さんの同意を得ています。
※本症例の結果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
「歯を綺麗にしたい」から始まってもいい。でも、その先の「歯と幸せに生きる」まで、一緒に考えたい。
そんな場所が東大和市のTOMOE DENTAL CLINICです。








